カタカタカタカタ…

小刻みなスキャナの音と、まったく異質な雨音が、違った層で響いている。

音のレイヤー構造。

こんなにゆっくり耳を澄まして雨音をきくこと自体、ずいぶん久しぶり。

好い夜だ。

84コマ目のスキャン。残り30コマをきる。

雨音をきくとき、その地面との衝突のぴちゃっと跳ねる様子、湿り気、そういったものをまるごと感じている、という話を現象学の講義できいたのを思い出す。

まだ雨の匂いはしない。