少しずつつみ重ねる、ということを意識しだしたのは去年あたりからか。
30代、40代、50代、で、ひととなり、にどんどん差が出てくる。

それはきっと、本人も意識しないようなささやかな日々のつみ重ねが、
10年、20年、30年、経つうちに、大きな差異になってしまうのだと思う。
そうやってできあがってしまったものって、簡単には変えられないんだ。

だから、ひといきに何かを変えようとせずに、
少しずつ、日々のなかにささやかな工夫と進展を、と思うようになった。

実際のところ、無理が利かなくなってきた、というのもあると思う。

重い段ボールを階下に運ぶのに、なかみを出して、
用事があるたびに、少しずつ持って降りる、とか。

薬に頼りすぎると、だんだん身体の免疫機能が働きにくくなる、ときいて、
即効性のある薬は飲まずに、からだを温める食べ物をとってゆっくり休んで、
からだの免疫力で風邪を治す、とか。

制作にしても、昨日のわたしより、今日のわたしのほうが、
去年のわたしより、今年のわたしのほうが、
少しずつでも進歩してたら、ええかな、と思うようになった。

ひといきに解決しようとせずに、少しずつ前に進む、という時間感覚、
20代のころは持ち合わせていなかった。

いままでは次の一歩のことしか考えてなかったけれど、
三歩くらい先を見渡せる余裕ができてきたのかもしれない。
いよいよ30代らしくなってきたかな。