20時、食品売り場。
異様だった。
どこか身体の具合の悪そうな年配の女性たちが数名、
おのおのが半額になったお惣菜をじっと見つめて吟味している。
仕事帰りのOLやサラリーマンに混じって、
相当、年配の女性が普段着で、
そんな時間にスーパーの食品売り場にいるのが、
それも一人や二人じゃないのが異様だった。
お昼に買い物ができないくらい忙しいわけじゃない。
遅い時間に半額になるまで待って買いものに来ているんだと思う。
ほんとうに保護や補助が必要なはずのところが削られていることは明らかで、
それを目の当たりにして、いまさら、わたしはうろたえた。
しつこいかもしれないけれど、
いちばん立場の弱いひとに皺寄せをして、帳尻をあわあせるのは
最悪のシステムだ。
そんな国にしたのは、そんな政治を許したのは、
ほかでもない、わたしたちだ。