寝る前に小腹が空いてうっかりナッツを頬張ったせいで、案の定、深夜の逆流性食道炎。
こういうときはたいてい、不安や恐れ、悲しみといったものがアマルガムのようになった忌々しい夢を見て、ぎゅっと鳩尾を締めつけられるような痛みとともに目覚めるものだが、今夜の夢は祖母のものらしきワンピースと白いサンダルを手に彼女が行きたかったであろう場所を訪れ撮影するという夢だった。
見覚えのないワンピースだったが、縫い代にマジックでフルネームが記されているから施設に入った後のものだろう。断片的に、水面のきらめき、まだ浅い緑、初夏の風景だ。そして、その旅を通じて祖母のさびしさに触れた気がした。
鳩尾の痛みはいつもとさほど変わらないのに、なぜか今夜は、私の身体にはまださびしさが残っていたのかと、かつて置き去りにした感情をやさしく迎えにゆく心もちになっていた。
これまでずっと頑なに遠ざけたり固く閉ざされた箱に押し込むようにしてきた感情を、それもまたわたしの一部とやわらかく受け止められたのは、これがはじめてかもしれない。
1:25 a.m. まだ鳩尾は鈍く痛む