日の出が6時、南中11時すぎで日の入り4時、となると、
撮影のためにしぜんと朝型生活になる。

朝ごはんをつくっていると、同じ時間帯にキッチンを利用する方がいて、
それぞれ自分の朝ごはんを作りながら、作品の話をするようになった。

相手の質問が鋭くて、最初はたじたじやったし、
朝6時台からえらい切り込んで来るなぁ…と思ったりもしたけれど、
それはそれで、だんだんおもしろくなってきた。

ろくに自己紹介もしないまま、
朝ごはんを「つくっている間」だけ話をする関係が一週間ほど続き、
彼の滞在の終盤でやっと、お名前と作品を知る機会が得られた。

はじめから作品や経歴を知っていたら、もっと身構えていたかもしれない。
半分パジャマで頭ぼさぼさの無防備な状態だったから、
ベテラン作家からの突っ込んだ質問にも、率直に答えられたのもしれない。
いま思えば、とても貴重な時間やった。