「昔から好き嫌いがはっきりしていたからね。」

この夏久しぶりに会った幼なじみから言われて、しばらく考えていた。

自分のことを優柔不断で、何かを前向きに「選ぶ」ことがあまりない…と思っていたから、そう言われたのが意外だった。でもよく考えてみたら、なにかあるものを「選ばない」という方法で、別のものを選択しているのかもしれないということに思い当たる。

Aを積極的に選ぶ、のではなくて、
BとCとDとEとFを選ばない、ということによって、
Aを選んでる。

Aを選んだつもりはなくても、
最後にAが手もとに残る。

こうやって自分は、自覚もないまま「選ぶ」を繰り返してきた。
ちょっと恐いな、と思う。

自分はこんな人生を選んだつもりはないと思っていても、
それは別の人生を「選ばなかった」だけのことだ。
きっとそういうひと、多いんだと思う。