最近、実家の冷蔵庫に千切りキャベツの袋が常備されるようになって、野菜は、その滋味を味わう以前に、健康(あるいは美容)のために食べなきゃいけないもの、という記号として消費されている側面が大きいよなぁ…ということを考える。

切った状態で袋に入っていると、それが新鮮なのか、美味しそうな体をしているのか、まったく判別できないから、わたしは絶対に買わない。そう考えると、日常生活でいちばん集中してものを見るのは生鮮食品を選ぶときかもしれない。

色つや、肌理、張り…そういうものを見極めるときの「見る」経験を作品化したいとずっと考え続けている。

記号と、たたずまい。