インターネットラジオのラテンチャンネルをずっと流していたからだろうか。
急に、リマの記憶が鮮明な映像としてあふれだした。

タクシーの黒い合皮のシートの質感とか、
排気ガスの臭気にあたってぐったりしながら、
見上げた位置に流れる街の景色。

たぶん、5,6歳の頃の記憶。
なのに、妙に生々しくて懐しくて。

南米で暮らしたその時間は、生も死もはるかに近くて、
幼いわたしにもわかるくらい、色気に満ちていた。