うしろの席の子どもたちがにわかにさわがしくなる。
「ほら、赤いのが見えた。」
「わー、綺麗。」

なにごとかと思って窓のそとを見ると、
そう遠くはないところに花火があがっている。

あっと言う間に通り過ぎたこのときばかりは、
さすがに新幹線のその速さを疎ましくも思えたけれど、
しばらくしたら、反対の窓にも花火がチラリ。

この新幹線、花火のあいだをぬって走ってるんだ、と思ったら、
みじかい旅のさいご、ちょっとうれしくなった。