桃山商事のポッドキャストで、横滑りしながらどんどん展開していく女性同士の会話のあり方(カシミア話法?カシミア論法?)が取り上げられていて、ジェンダーによって会話のスタイルに違いがあるの?という驚きが「横滑り」を意識するきっかけだったと思う。
たしかに、さいしょに何を話していたのか忘れるくらい会話が展開する(「で、何の話をしてたんだっけ?」と急に立ち止まる)という状況にはよく遭遇する。でもそれは前の話とのつながりを切断してまったく新しい話がはじめられるのではなく、前の話のどこかしらにフックしながら、しかも「思いがけないところ」にフックして次の話がはじめられるという形で展開する。わたしはそのライブ感こそが会話(雑談)の醍醐味じゃないかとすら思うが、話のなかの「思いがけないところ」というのは会話におけるある種のプンクトゥムなんじゃないか?と思ったのだ。つまり横滑りして展開するとりとめのない会話というのは、プンクトゥムの連鎖ではなかろうか?と。
ある写真のプンクトゥムとは、その写真のうちにあって、私を突き刺す(ばかりか、私にあざをつけ、私の胸をしめつける)偶然なのである。
(『明るい部屋 写真についての覚書』 ロラン・バルト著 花輪光訳 みすず書房 1985 p.37より抜粋)
仮にその発散的なスタイルの会話を女性的だというのであれば、いっそそれを徹底的にやってみようじゃないか、イメージで!という考えがよぎったのだ。あらかじめテーマや形式を決めてイメージを集め編む収束的な方法ではなく、横滑りするのを楽しみながら前のイメージのどこかしらにフックして次のイメージをつなげる発散的な方法を試してみようじゃないか、と。
おもしろければプロジェクト化すればいいし、数名でやってみるのも良いかもしれない。まずはsmall startで。
この1枚で、京都って平安以降のことしか知らなかったナ…京都の先史時代に触れる機会がほぼないっておもしろいナ…とか(土地のアイデンティティとして平安以前が語られない)
わたしには魅力的な〝器の展示〟に映るが、どうして土器は考古学扱いで陶芸の展覧会にならんの?とか、いろいろ考える。 pic.twitter.com/cYHelGTjPh
— lisa (@somedalisa) April 20, 2024
ことの発端はこのフライヤーだったのではないかと思う(事後的に)。
土器のマットな質感の黒がずっと頭にあったのだろう。おもむろにブラックデニムがほしい気もちになり、街でたまたま出会ったのが3本のデニムを1本に統合した再構築デニム。
デニムを1本履き潰してしまったので、次は浅いブラックがいいかなぁなどとぼんやり思っていたところ、再構築デニムに出会う。
このつながってるようなつながっていないような継ぎ方に親近感🥰 pic.twitter.com/uvgwKU0shX
— lisa (@somedalisa) May 15, 2024
つながっているようなつながっていないようなデニムの継ぎ方から連想されるイメージを手元の写真から選んでみる。ここからスタートだ。
— lisa (@somedalisa) May 15, 2024
— lisa (@somedalisa) May 15, 2024
— lisa (@somedalisa) May 20, 2024
— lisa (@somedalisa) May 24, 2024
この画像からの類推でおすすめにこの投稿を出してきたのならAIすごいね。
群れで泳ぐ魚そものの画像ではなく、群れで泳ぐ魚を「表現したもの」の画像を選んだところがすごい。 https://t.co/SR5viGdEi5 pic.twitter.com/3jllG7NQ6K
— lisa (@somedalisa) May 31, 2024
AIが高い精度で似た画像を抽出してくるのであれば、人間だからできることは……似ても似つかないもののなかに同質性や類似性を見出すこと……かな? https://t.co/9uNwKvxVz3 pic.twitter.com/RZTWDgvMxB
— lisa (@somedalisa) May 31, 2024