バランスの良い光やったんやと思う。
うす曇りのわりに、青に寄ってもいなかった。

光と影のコントラスト邪魔されずに、色がきちんと目に入ってきたから、いつもと違ったチャンネルで反応していた。その前の日と、まったく違うフレーミングでまったく違うものを撮ってる。

フレーミングすること、選択することによって、写真はいとも簡単にものを、被写体をトクベツなものしてしまう。その威力には十分慎重にならんといかん。意図があるならともかく、不用意に被写体に偏りがあるのはよくない、と思っている。

いつも、好んで細い路地に入りこむから、至近距離のスナップばかり撮ってしまうこと。見知らぬひとを撮るのが心理的に負担なこと。撮りたくなるもの、の、パターンが固定化してきていること。これらが、最近スナップのとき気にしていること。

中庸(?)な光のおかげで感じ方の軸がゆさぶられて、良かった。

あと50年生きれたとしても、あと何回、ゆさぶられるような光と出会うかわからない。
ほんとうに、ほんとうに、時間が足りない。