テレビで、「手で洗うのは効率は悪いけれど、固さやハリで、ネギの甘みや出来がわかる」と農家の方がネギを洗いながら話している場面があった。
おもしろいなぁと思う。
ふだん洗いものをするとき、洗い残しがないか最後指でなぞって確認するように、意識していなくても、目で確認しきれないものを指先の感覚がとらえることを、わたしたちは知っている。手の繊細さは、なにも特殊な技能習得者だけのものではない。
指先を切ってパックリ傷口があいたとき、その感覚がまったく狂って困ったことがある。こんな小さな傷で、こんなに困るのか!と驚いたことを思い出す。
わたしたちは生活の中で、うまいこと感覚を使い分けている。
そして、案外、多くの場面でその感覚に頼っている。