対談だしあまり気負って読まなくて良さそうだったので、手に取ってみた。森山さんの文章はけっこう読む機会が多いので、対談の内容はあまり目新しいことはなかったけれど、印象に残ったのは、「アメリカでは写真展のことを、ショーと言う」という話を、繰り返ししてはること。エキジビションとは言わないそうだ。
見世物なんだよね。
という森山さんのことばは、すとん、と納得できて、写真なんだから、そのくらい猥雑で軽やかで、ええやんって。
あとがきの「たかが写真であり、されど写真である。そのたかがをされどと言ってみたくって、ぼくは長年写真にこだわりつづけてきたような気がする。」というの、つくづく、うまいこと表現するなぁと思う。
「たかが写真」なんよ。本当に。たいそうなことやない。
でも、その「たかが」に、一生を賭けるひとが、賭けようとするひとが、少なからずおるんよね。