LISA SOMEDA

morning glory (2)

じいちゃん、おかえりなさい。

 

今朝起きると、朝顔の花が開いていた。

15年前に亡くなった祖父がおとりおきしていた朝顔の種を、
咲くかどうかもわからず蒔いたもの。

芽が出たあとも、
陽当たりの悪いこのベランダではまさか咲くまいと思いながら育てていたから、
感慨もひとしお。

淡い藤色の花は、祖父らしい上品な色あい。
お盆だし、じいちゃん、帰ってきたんだね。

開くところを見たいから、明日はもう少しはやく起きよう。

いのちがくるくるめぐる。

 

おじいちゃんのおとりおきしていたアサガオの種を植えてみた。

陽当たりの悪いベランダだし、期待はしていなかったけれど、
今朝見ると、心配になるくらい色白の芽が出ていた。

半年ほどのあいだ、こぶりなクローバーが一輪、葉を広げていた。
ふゆの寒さも陽当たりの悪さも乗りこえて、たった一輪、生き続けるその頑な姿に、
ほんとうは、毎朝、励まされていた。

さすがに、葉に穴があいてきて、もうそろそろ引退かな、と思った矢先、
バトンタッチ、新しいクローバーが芽を出した。

小さい鉢のなか、いのちがくるくるめぐる。