Exhibition in the time of Corona

On Your Side

オンライン展示プロジェクト(オンライン展覧会)”On Your Side”にご来場いただき、どうもありがとうございます。

ここで公開するのは、川べりの日常の光景をとらえたRIVERSIDEというシリーズの5作品です。
わたしはこれらの作品をとおして、距離や時間、あるいは視覚に関するテーマに取り組むと同時に、川べりで繰り広げられるひとの営みを見つめてきました。

ひとびとが川べりでキャッチボールをしたり、楽器の練習をしたり、本を読んだり、それぞれが思い思いに過ごしている日常の光景がとても好きです。そして、17年にわたり作品をつくり続けるなかで、〝それぞれが思い思いに〟という構造、ひとつの大きなストーリーやひとつの大きな中心があるのではなく、ひとりひとりを中心とした無数のストーリーと無数の中心があるこの構造こそが、自由や平和を象徴するものだと思うようになりました。

川べりのおだやかな日常をとらえたこれらの作品が、少しずつ日常を取り戻していく道筋を明るく照らす一助になればと願っています。

2020年9月末日
染田リサ

展覧会について

本展では、川べりの光景をとらえた〝RIVERSIDE〟シリーズの5作品を、ディスプレイ展示用に再編集し、9月末より順次公開します。

〝RIVERSIDE〟は、数キロにおよぶ川べりの写真をつないだとても長い作品で、パブリックスペースでの大型の写真インスタレーションとして発表してきました。ところが、一昨年のロシアでの展示では大雨災害により輸送の目処が立たず、プリント作品の代わりとして、それまでキューレーターとのやりとりで使っていた「作品イメージがゆっくり横スクロールするWEBページ」をディスプレイ展示用につくり変えることになりました。それが今回公開するデジタル作品の原形です。

本展で公開するのは、展覧会でのディスプレイ展示を前提に作られた作品です。フルスクリーンでゆったりとイメージが流れるこれらの作品が、美術館やギャラリーのディスプレイで再生されれば、リアルな展覧会になります。

だとすれば、あなたが作品を再生すれば、あなたのいる場所が展覧会場になると考えられないでしょうか?

そして、もしあなたが作品を気に入り、誰かとシェアしたくなったら、あなたがお持ちのディスプレイやタブレットで展示してみてください。ここで公開するデジタル作品は、個人の閲覧に限らず、再配布できるよう、ライセンスの一部を放棄しています。

あとに記すの3つのルールを守っていただいたら、お昼休みのデスクでも、店先のディスプレイでも、サウナでも、もちろんホワイトキューブでも、どこで展示していただいてもかまいません。むしろ大歓迎です。

  1. 作家名を表示すること(表示)∗
  2. 非営利であること(非営利)
  3. 作品を改変しないこと(改変禁止)

*オンライン上の作品を再生する限りにおいては、再生終了時にライセンスが表示されので作家名を別途表示する必要はございません。

クリエイティブコモンズ 表示-非営利-改変禁止 4.0 国際

展覧会開催概要

タイトル
On Your Side
会期
2020年9月末日〜2021年3月31日まで
会場
インターネット網がある場所ならどこでも
下記URLにてご覧ください
https://somedalisa.net/exh2020/
閲覧環境
モダンブラウザ搭載機器
回線速度が遅いと、正常に表示されない場合があります
出展作品
darker and darker (2020)
СНЕГ (2018)
SNOW (2015)
RIVSERISDE (2005)
Spring has come! (2014/2020)
出展作家
染田リサ (公式サイト)
問い合わせフォーム

作品公開予定

9月末
darker and darker (2020)
夕暮れから夜にかけて賑わう鴨川の川床の光景(約30分)
10月下旬
СНЕГ (2018)
サンクトペテルブルク(ロシア)を流れるフォンタンカ川の雪景、4篇
タイトルのСНЕГ(スニェーク)はロシア語で雪を意味します
11月中旬
SNOW (2015)
札幌の豊平川の雪景、2篇
12月上旬
RIVSERISDE (2005)
初夏の鴨川を撮影した第一作
12月末
Spring has come! (2014/2020)
満開の桜の下で春の訪れを喜ぶひとびとをとらえた賀茂川の春景、4篇

最新の情報はTwitterでお知らせします


darker and darker(2020) | LISA SOMEDA
start

darker and darker

2015年の夏に京都市を流れる鴨川の西岸を撮影したもので、初公開の作品です。夕方から夜にかけて、徐々に暮れゆく時間の流れと川べりの賑わいをとらえました。

2005年にはじめて展覧会を開いたときに、来場者の方から「一本のシネフィルムを見ているようでした」という感想をいただいたのが、本作のきっかけとなりました。複数の写真を組み合わせることで生まれる時間性に着目しています。

制作年
2020
時間
約36分/ループ
ライセンス
クリエイティブコモンズ 表示-非営利-改変禁止 4.0 国際

この作品にとりかかったのは、2008年。当時はまだ中判のフィルムカメラで撮影していました。現像に出したフィルムをスキャンしてから横につなぎ、チェックを終える頃には、夏が終わっていました。何時ころに撮り始めると夕暮れと街の情景のバランスが良いか、2011年までの毎夏試行錯誤を繰り返していました。しばらく京都を離れたあと、デジタルカメラに持ち替え、2015年の夏に撮影を終えました。

タイトルの《darker and darker》は、”darker”という同じ単語がふたつ横に並んでいること。darkerは、darkから右端のerまで、左から右に読み進む間に「暗い」から「より暗い」と微妙に意味が変わる、時間性を持った単語であること。そのことばの構造が、画面の左から右に向かって少しトーンが暗くなる写真が何枚も連なっていく作品の構造と重なります。

СНЕГ

4篇からなる、サンクトペテルブルク(ロシア)を流れるフォンタンカ川の雪景をとらえた作品で、タイトルのСНЕГ(スニェーク)はロシア語で雪を意味します。2016年の冬、サンクトペテルブルクでのアーティストインレジデンスプログラムに参加し撮影しました。現時点ではいちばん長い作品です。

制作年
2018
時間
#1:約17分/ループ
#2:約35分/ループ
#3:約20分/ループ
#4:約48分/ループ
ライセンス
クリエイティブコモンズ 表示-非営利-改変禁止 4.0 国際
СНЕГ (2018) | LISA SOMEDA

#1

2015年、札幌での作品制作で雪による見えなさに関心を持ちました。見えなさを精密にとらえようと撮影に臨みましたが、撮影期間中に視界が遮られるほど吹雪いたのは、この夏の庭園(Ле́тний сад)を撮影した初日だけでした。吹雪いたり止んだりを何度も繰り返したので、濃淡のリズムが生まれています。(約17分)

写真中央の男性は、雪が止むタイミングを見はからってベビーカーを押して歩いて来ました。この男性に限らず、ロシアでは雪の中をベビーカーを押して歩く光景を多く見かけました。札幌では、雪の中で犬の散歩をする人を、カナダではランニングする人をよく見かけました。ちょっとしたところに地域性が見え隠れします。

少しだけ苦労話をすると、ひとの視線はどうしても動くものにひっぱられるので、雪がフリッカーのようにチラつく中で対岸の細い梢枝でピントをあわせるのに、たいへん苦労しました。なので…できればこのシーンは大きめの画面で見ていただけるとうれしいです。(その場合はChromeでの閲覧を推奨します)

СНЕГ (2018) | LISA SOMEDA
2020.10.29 公開

#2

いよいよ市街地に向かいます。ほとんど雪が降ることはなく、出歩く人の姿が多く見られます。撮影中、雪合戦をしているカップルを見つけました(写真中央)。さらに先には、雪道をヒールの高いブーツで颯爽と歩く女性も登場します。ひとの営みがよく目に入るシーンです。

СНЕГ (2018) | LISA SOMEDA
2020.11.05 公開

#3

このRIVERSIDEシリーズにはっきり関心を示されるのは、実は建築を専門とされる方々です。都市景観の資料として見ているのかもしれません。このシーンでは、凝ったレリーフの建物が多く登場するので、都市景観という観点から見るべきところの多いシーンと言えるかもしれません。4K対応しているので、ディテールまでご覧いただけます。

СНЕГ (2018) | LISA SOMEDA
2020.11.12 公開

#4

フィンランド湾に近くにつれ、街の雰囲気が少しずつ変わり、最後は海軍向けの潜水艦をつくるロシア最大の造船所のひとつ、アドミラルティ造船所(Адмиралтейские верфи)に辿りつきます。一体何が街の〝雰囲気〟を醸し出しているのかを考えさせられます。

BIOGRAPHY

染田リサ、写真家。神戸生まれ。京都を拠点に活動。

EXHIBITION

2018
Exhibition project “Kronstadt Stories—3. Slowness” / Museum of the history of Saint-Petersburg, Museum of printing(サンクトペテルブルク ロシア)
2015
第3回札幌500m美術館賞グランプリ展 SNOW / 札幌大通地下ギャラリー500m美術館
2005
RIVERSIDE展 / 京都駅ビル空中径路

PUBLICATION

2007
『芸術展示の現象学』共著(太田喬夫・三木順子編 晃洋書房)

ARTIST IN RESIDENCE PROGRAM

2016
NCCA North-West Branch クロンシュタット レジデンスプログラム サンクトペテルブルク(ロシア)

EDUCATION

2005
京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 造形工学専攻 博士前期課程修了
1998
大阪大学 工学部 電気工学科卒業

最新情報

《СНЕГ》の公開スケジュールについて

おかげさまで、オンライン展覧会”On You Side”は好調なスタートを切ることができました。どうもありがとうございます。

本日、2作目のСНЕГ (2018) のシーン1を公開しました。約17分の作品です。
СНЕГ(スニェーク)はロシア語で雪を意味します。
冬のサンクトペテルブルクで撮影した、4篇構成の作品です。

4篇それぞれが、それなりに長いので、今日から4週にわたり、1篇ずつ毎週木曜日に公開します。
お時間のあるときに、ご覧いただけると幸いです。

https://somedalisa.net/exh2020?lang=ja

オンラインの展覧会では、なかなか直接お話することが叶わないので、サイトにチャット機能をつけ【オンライン在廊】ができるようにしました。不定期ですが、平日の夕方から夜の時間帯に、画面右下にグレーのチャットアイコンが出ているときは、在廊(?)していますので、お気軽にお声かけください。

2020.10.22
オンライン展覧会”On Your Side”を開催します。

2020年9月30日から、オンライン展覧会”On Your Side”を開催します。

川べりの光景をとらえた〝RIVERSIDE〟シリーズの5作品を、ディスプレイ展示用に再編集し、ひと月に1作品ずつ順次公開します。会期は2021年3月31日まで。本展は「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う京都市文化芸術活動緊急奨励金」の採択事業です。

オープニングは、夕方から夜にかけての鴨川べりの光景をとらえた未発表作品《darker and darker》です。ゆったりとイメージが横に流れる40分弱の作品です。お時間のあるときに、ご覧ください。

https://somedalisa.net/exh2020?lang=ja

2020.09.30