あの日は隔たりということを考えていた。

隔たりとは、すなわち、距離(distance)なのだろうか。

たとえば、2者の間に遮蔽物があり、距離としては非常に接近できたとしても、実際に触ることができない、という状況を考えてみる。数値的には距離を限りなく0に近づけたとしても、接触不可能な限り、そこには隔たりが存在するのではないだろうか。
だとすれば、隔たりとは、2者の接触可能性に基づく概念であり、そこには身体性が深く差しこまれているのではないだろうか。と。