今日が会期末。山本現代で開催されている高木正勝さんの映像作品。イメネ。

清澄や、京都の下京みたいに、ここも、ひとつのビルの中に複数のギャラリーがフロアごとに運営されているスタイル。

やはり作品を見ていて考えさせられるのは、「わたしたちがものの質感をどういう風に感じているのか」ということ。

液体のねばりけなんかは、そのてりっと光る加減だとか、とあわせて、ぬちゃっという音や、どろっとした動きの緩慢さなど、複合的な情報でその質感を感知しているのだと思う。

その液体がさらっとしているか、どろっとしているか、ということは、動いているところを見ることではじめてわかる「質感」なのかもしれない。

そういう動きによって生まれる質感が映像としてめまぐるしく変化するさまが印象的だった。

実体がないのにもかかわらず、映像の動きによって質感だけが立ち上がったり、あるいは、被写体自身のもつ質感とはまったく別の質感が、映像の動きによってもたらされるのは、すごくマジカルなことだと思う。