昨日の挙式でのこと。
親族代表として挨拶をされた新郎の父が、挨拶のことばに詰まったときに、そうおっしゃった。
ことばが、乱れました。
こころが、ととのいません。
ゆっくりと、ひとこと、ひとこと、ていねいに紡ぎ出されることば。
思わずシャッターを押す手がとまった。
たったひとことに、ひっぱられた。
誰もがだいたい、こらえたり、誤摩化したり、あるいは、そのまま通り過ぎるところを、まっすぐ自分のこころのあり様を見つめ、そのままことばにされたことに、驚いた。
そして、新しく家族に迎えるお嫁さんを、「家族をあげて、いや、親族をあげて、お守りします。」とおっしゃるところにいたっては、他人の家族のことなのに、涙が出そうになった。
ひさしぶりに、こころの深いところにことばが触れた。
こんなにまっすぐ届くことばがあるんだな、と驚くのと同時に、
わたしたちが普段、どれだけことばをぞんざいに扱っているか、ということを身につまされもした。
きっと死ぬまで忘れることはないであろうそのことばは、
わたしの中で、今も疼くようにしてある。