しくみを知りたい。なかがどうなっているのか知りたい。
と、思うことがたまにある。

ほんで、GPSってどういうしくみなんだろう…とずっと思っていたのね。

「あなたは今、どこどこにいますよ。」って衛星がわざわざ教えてくれるんか?
そんなこと、大勢の人にいっぺんにできるんか?
と思ってたら、さすがにそんなことはないんだ。

衛星が発信するのは、時刻と、衛星の衛星歴と軌道歴。
発信する側の時刻の情報を、受信機が受け取るその時間差から発信元の衛星と受信機との距離を計算する。でも、ひとつの衛星からの距離だけでは、受信機側は自分の位置が特定できないから、複数の衛星からの距離を割り出すことで、自分の位置を特定する。(昔、点aから3cm、点bから5cmの点cを求めなさいという問題をコンパスで交点つくる作図したのの3次元版やね)

位置を特定するための計算をするのは、受信機側のほうなんだ。

ひと昔もっと前の刑事もののドラマなんかで、お金がたくさん入ったスーツケースにつけてる追跡用の発信機とGPSのしくみは同じようなものだと思ってたのね。誰かに自分の位置情報を知られるのか…と、その点を危惧していたのだけれど、そりゃ違う。だって、受信機は「受信」機だもん。発信はしない。でも、携帯電話は、どの基地局の近くにおるか、特定されるから、ある程度、自分がどこにおるかをひとに知られる可能性がある。こちらのほうが恐い。

しくみがわかって、すっきり。

わたしの使っているGPSは衛星3機から受信した情報で測位しとるらしい。
なんで、3機も?と思っていたけれど、自分の位置情報を3次元(x,y,z)で特定するのには、変数が3つだから、衛星3機から情報を得ることが必要なのだと。3元連立方程式だね。
(ほんまは、受信機内の時計の誤差を補正するためにもう1機からの受信が必要らしいが。)

ほんで、電源をいれたあと、測位開始までに時間がかかるのが気になっていたけれど、電源を入れたあと、まず受信機は、24個以上も運用されている衛星の中から、自分の位置を特定するのに有効な衛星を選ぶところからはじめるらしい。受信した衛星歴からどの衛星の情報を利用するかを決め、選んだ衛星の軌道歴から、その衛星の正確な位置を把握する。なるほど、電源を入れてから測位開始までのあいだに、このGPSが何をしとるんかがよくわかった。

ほかには、GPSは、NAVSTAR/GPSが正式名称で、NAVSTARは、Navigation System With Time and Rangingからつくられた用語だけれど、「航法用の星」とも読めるだとか、GPS衛星は軍事目的のために開発されていたので、当初は、測位精度を劣化させる信号が電波に乗せられていて100m近い誤差があったという話だとか、いろいろおもしろい。

知らないことを知るのは愉しいものだね。