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布の神様

さめこもん。おおしま。どろおおしま。もんつき。しぼり。
まるおび。なごやおび。ふくろおび。

わたしが疎いだけなのかもしれないけれど、きき慣れない言葉をたくさん知る。
家族に吉報があり、昨晩は母と一緒に実家のタンスのそうざらえをしていた。

母のタンスと祖母のタンス。
大正生まれの祖母の着物だけでなく、曾祖母の明治の着物まで、たいせつに残されていた。
母は知らなかったのか、ふたりで大興奮。

祖母は、ええとこのお嬢さんだったらしく、
嫁入りのときの道具はすごかったと母からも親戚からも聞かされていたが、
祖母の着物、予想外にすごかった。

ひとり娘だった祖母のためにつくられた着物の数々を見た母は、
曾祖母がどれだけ祖母をたいせつにしていたか、つくづく実感している様子。

わたしのほうは、ええもんは、古くても、後代のひとにもええもんやと
ちゃんと伝わるねんなぁということをぼんやり考えていた。

わたしは着物のことはようわからんけど、
祖母の着物は、見ているわたしをドキドキさせる。
着物に興味なんてほとんどないけれど、着てみたいなぁと思わせる。

その時代の帯が、帆船の柄だったりして、
とにかくいまどきの着物なんか軽く飛び越えるくらいモダン。

祖母が母のためにこしらえた振り袖、
わたしが13のときに着せてもらったものを今また見たら、
とても繊細な色の刺繍が施されていて、ええもんやったんやなぁと実感。

わたしは、ばあちゃんには布の神様がついとると思っていたけれど、
彼女の着物を見て、ほんまに神様がついとる、と確信した。
そして、それはばあちゃんのお母さんが、自分の娘のためによんできた神様なんやと思う。

祖母の嫁入り道具の、
綺麗な赤の絞りの襦袢と、鮮やかなターコイズブルーの訪問着をあわせて着るハレの日を、愉しみに待つことにしよう。