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ベース

幼いころ、週に2回、スイミングスクールに通っていた。
帰りのスクールバスは、ちょうど夕暮れどきの千里ニュータウンの中をぬって走る。

ぽつぽつとあかりが灯りはじめるマンション群を、バスの窓からぼんやり見上げながら、ひとつひとつの部屋に、それぞれを中心とした別々の世界があるということを、よく考えていた。なぜか少し寂しい気もちで。

「それぞれを中心とした別々の物語や世界が無数にある」

幼い頃に、ヒリヒリするような寂寥感とともに身につけたその世界観が、わたしの作品のベースにはあるのだと思う。